【furubita journal last page】コンセプトと製作エピソードの解説
お久しぶりです。
仕事8割、付き合い(飲み会等)3割、ゲーム1割、創作1割みたいな生活してたら7月終わりそうです。
働き過ぎて制限入ったので数日だけですが一時休戦となりました。
このチャンスを逃すわけにはいかないので、書く書く詐欺してた「furubita journal last page」についての解説を書いておきます。
2300字ぐらいあります。
furubita journal last pageとは
- 私が4月末のM3にあわせてリリースしたasnomi studio名義の最新アルバムです。
- 歌モノ7曲、インスト1曲の8曲入アルバム。
- ボーカルには全面的にシンセサイザーVの「小春六花AI」を起用してます。神。
- サブスク配信してるのでぜひ聴いてみてください。
書こうと思った背景
- ありがたいことに考察をまとめてくれてる人がいました。本当にありがとうございます。
asnomi studio – furubita journal last page の解釈rinkisorami.wordpress.com
- いつもそうなんですが、漠然と思いやコンセプトは持ちつつも、それらを明確にまとめてる資料はなかったので文字に起こしておくかって気持ちになりました。
- そうしたコンセプトや制作秘話をまとめることでその時自分が誰(何)と出会い、何を考えていたのかの振り返りになる他、次回作の設定に(具体的には夏コミ以降の新刊)につながると考えています。
- 制作エピソードが入るので影響を受けた作品や、その時の感情など自己開示が多数含まれます。苦手な方はご注意ください。
前提と全体像
- 一貫したテーマとしてあるのは「皆それぞれの場所で戦って生きている」「この慌ただしい日常を生きていること自体が尊い」の2点
- これをまとめたのがTuneCoreに書いてある文章
毎年のように未曾有のイベントが起こるぼくらの日常において、いつか消えてしまうだろうほんの少しの喜びを大事に大事に抱えて生きていく、これってとても美しいことなんだろう。たったそれだけのことが逞しく思えたのです。
- これをまとめたのがTuneCoreに書いてある文章
- 自分自身の手記としてのリアルに起きたエピソードと、一貫して描いている世界観(コンセプト)の中でのシナリオを両方書いている
- これは前作「群青色のコヒーレンス」も同様。「群青色のコヒーレンス」はリアルエピソードが強く内省的、それに比べると今作は世界観を散りばめることでコンセプトアルバム感を強めようとしている。
- 群青色のコヒーレンスとは直接的にリンクしている箇所がある
- 「モノトーンランドスケープ」「淡彩色のワンダーランド」も同じ世界観だが、あちらはコンセプトアルバムを全面に押し出している。
- 主人公は複数いる。短編集のようなもの
- 直訳すると古い手記になるが、必ずしもそういう意味ではない。主人公は複数いる。
- 昔思っていたことと今のギャップとか、古い”何か”から逃げられないとか
- 「ぼくらのうた」ではギャップは埋まらないしどうしようもないけど、それでも今を生きていくしかない。それがよわっちいぼくらだと結論づけている
- 気づいた方もいるかもしれないが、ジャケットイラストは歌舞伎町某所。
各曲毎の解説
シナリオとコンセプト、製作エピソードに分けて記載していきます。
遠い日の青を
- シナリオとコンセプト
- 製作エピソード
- 2022/3頃に書いた曲
- ロシアがウクライナに侵攻したタイミング。SNSやTVで悲惨なそれが連日報道された(今もだけど)
- ある快晴の日、電車に揺られて多摩川を通過しているときに、河川敷で元気にスポーツをする少年少女とそれを見守る先生と親御さんたちがいた
- 眼の前の平和とマスメディアを通じて報道される世界にグリッチのようなズレを感じてたら曲ができた
- 音楽的には特に目新しいことはしていないが、サラウンド感を出したくてサビはコードギターを3つ重ねた
- ギターソロは昔SoundCloudにあげた曲のを流用した。実は全く同じ。
- 元々はもっと忙しい曲だったが、最後の星 - ACIDMANのような淡々と過ぎていく感とサビのスケール感が欲しくてサビ以外おとなしくした。
Birth
- シナリオとコンセプト
- 製作エピソード
メメント・モリ
シナリオとコンセプト
- 終わらなきゃ見えないモノもある
- あおちゃんが観ているTV番組に登場する人物、パステルは終わらないように風景を記録して回った。
- だが、繰り返していくうちに終わらないことに対する虚無感と、記録したことによって変わっていく自分に気がついてしまう。
製作エピソード
- 2023/2のボーカロイドオンリーで初公開したリードソング。そちらは夏色花梨先輩ver。
- 2022/9頃に書いた曲。ちょうどその時写真美術館でやってたメメント・モリと写真
死は何を照らし出すのかっていう展示に影響された
- いつも漠然と、死ぬってなんだろう、明日死ぬとしたらどんな感情でいるんだろうとか考えている。そんな問いに対するヒントのような痛み止めのような曲。
- 全ての物質はいつか壊れるのに、持続性を謳って永遠を目指してみたり、一生終わらないコンテンツばかり跋扈したりしてる現代に対する負け犬アンチテーゼ。
- ちょうど似た時期の飲み会で帰りの記憶がないことに親和性を感じて、そのまま歌詞にした。
- 2023/1のcinema staff x ヒトリエの対バンに行った時にcinema staffの轟音に圧倒されて「音の壁良いよね!」モードになり、壁の構築を試みた。
- サビは会心の一撃 - RADWIMPSにインスパイアされている。
藻
- シナリオとコンセプト
- 藻や藻やしているのだ。
- 誰しもがそれぞれの立場、Roleでこんがらがっているのだ。そんな夜だってあるのだ。
- 「遠い日の青を」「birth」を直接的に補間、「ぼくらのうた」に繋ぐような曲。
- 製作エピソード
- ちょうど一年前、2022/7頃に書いた
- 1曲ぐらいシンセドラム使ってる曲ほしいよねっていう理由が発端にある曲。
- 機械油 - ずっと真夜中でいいのに。 聴いてたらポエトリーリーディングみたいなの書きたくなってできた。
- そのまま手記。この頃も少し病んでたと思う。
- 丁度七夕だったので七夕が出てくる。
- 藻は海藻の意。こんがらがってる脳内がなんか海藻っぽいなと思って藻に。
- 無限に同じギターリフ繰り返すのやりたくて作った。ギターフリータイムは20回ぐらい録ったテイクの中から1番良かったアーミングをチョイス。
Swim in beer pond
- シナリオとコンセプト
- 製作経緯が異なることもあり、この曲だけは世界観関係ないです。
- しいてコンセプトあげるなら、ほろ酔い~酩酊の間の浮遊感(チル感)の再現
- 製作エピソード
- 元々、即興で弾いてSoundcloudに上げた曲。
- なんかチルい曲つくりたいなーって飲酒しながら即興で作った曲
- 何気に気に入ってたので起用した。
- 普段インスト曲はイントロとして1曲目に配するが、この曲は曲調的にもコンセプト的にもイントロ向きではないなと思い、初めてアルバムの中間に配した。
timetravel
- シナリオとコンセプト
- ほんの少しでも目に見える景色が変わったならそれで良い。自分がどんなに焦って変わっても世界は等間隔にしか変わっていかないから。
- もう一度会えれば変わるかもしれないと、皆の協力を得て街に出たあおちゃんだったが何も得られず家に戻る羽目に。また意味不明なことをしたってきっと笑われるんだろう。
- 製作エピソード
- 2022/12に書いてyoutubeに上げた曲。youtubeにはGUMI verが上がってます。
- AWS Re:Inventに参加するため、11月末から12月頭にかけて渡米、ラスベガスに滞在していた
- 帰国後案の定寝込んでしまい、病床のなかでできた曲。1週間で作った。
- timetravelは時差、缶詰は飛行機内、大きな世界はラスベガスのバカでかい建物群、紫のネオンはイベント会場。などなど。
- 帰り、成田上空で雲を抜けたあとに見えた真っ赤な夕焼けがすごく印象に残っている。
- 別世界を見てきたら元の世界も変わって見えるだろうと思ったけど、意外と何も変わらなかったという手記。解像度は上がった。
- 音楽的にはアルバム中唯一ほぼ手癖で作ってる。一応、造りとしては過去作「秋空」「セルフィッシュガール」を少し意識してる。
最初の光
- シナリオとコンセプト
- 探し回ってようやく気がついた。ぼくが、ぼくらが探していた答えはすぐ目の前に合ったんだ。
- あおちゃん達もいつかこの境地にたどり着けるといいな。
- 制作エピソード
- 2022/8に観音崎京急ホテル(今は閉業)と横須賀美術館に行っていた。
- 浜辺で見た壮大な夕焼けと透明な海で、色んな記憶が蘇ってきてノスタルジックな感覚に。
- その後、横須賀美術館で絵画 最初の光 - 井上文太 を観た時に脳内で何かが弾ける音がした。それが何者か分からなかったけどひどく感動した。
- 帰宅後もさざ波のように繰り返し続けたその音を曲に書いた。つまり、インスパイアされてできた曲。
- イントロのピアノは脳内で流れた音。コード的にはただのCsus4。なんかこう、ぽろぽろと泡が登ってきて水面が揺れている気がした。
- 全く意図してないけど、たまたま「光、滲んだ」のアンサーソングみたいになってる点も気に入ってます。
- 海もプールも夏祭りもフェスも行かないけど、むせ返るような夏が好きなんです。
- 2022/8に観音崎京急ホテル(今は閉業)と横須賀美術館に行っていた。
ぼくらのうた
- シナリオとコンセプト
- 色んな出来事を浴びて消費しながら日常繰り返していく。なんの権力も持たないぼくらができることって小さいけど、できることして生きていこうぜ。
- 夜逃げしたり、友人と別れたり、バンド再開したり、変な人が周りに増えたりしたあおちゃん。
- 依然として感情の整理はつかないけど、ありのままの日常を過ごしていくしかないと、激低い意識で生きていく決意を固めた
- 一向に酒に強くなる気配は見えない。お酒は無理せず楽しく飲める範囲で、スマドリ。
- 製作エピソード
- メインテーマ
- 正直、この曲何をきっかけに生まれたのか全く覚えてない。コンセプトと制作意図が全く同じことしか覚えてない。
- 偉い人が表に出ろってさはオバマ元大統領の演説より。
- 実は2022年の夏にGUMI verのスケッチをTweetしている。
- フル動画作ってYoutubeに上げるつもりだったけど間に合わなかった
- 最初の光 の次にジャーンから始まるの個人的にお気に入りポイント。ハッピーエンド感ある。
- YUBIKIRI - ヒトリエ のアウトロのようなサイケ感を出したかったけどついついジャーンで終わってしまった。
- アルバムの最後に軽快な4つ打ち持ってくるの旧譜※と全く同じなんだよな。次回は別の終わり方をしよう。
終わりに
なんだかんだ文字数が多くなってきた。こうやってまとめると自分でも気付いてなかった事実が見えてきますね。1年かけて8曲しか書いてないとか。
インスピレーションを受けた元の作品名をどこまで挙げるか悩んだけど、明確に記憶してるとこはだいたい挙げちゃいました。
自分の中でも整理できてきたので次回作に繋げていこうと思います。
最後に告知
夏コミ参加します。日曜日 西ぬ-17a asnomi studioです。
イラスト&マンガ オリジナルブック(楽曲付き)を出す予定でした。冒頭で伏線張りましたが、時間が全くと言っていいほど取れず書けていません。
よって新刊はありません。もっと言うと参加できない可能性もあります。申し訳ありません。
ライブ配信もリスケとなってます。
ワンチャンコピ本は出ます。あと近日中に新曲公開できると思います。
引き続き各SNS低浮上となりますが、引き続きお願いします。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。